カマンベールチーズは記憶障害を改善する

ミクログリアの炎症抑制を介した加齢の影響
大矢麗奈1,2、阿野泰久1,2、高島昭彦3、中山博之1
1東京大学大学院獣医学部獣医学科 1東京大学獣医病理学教室、2キリンビール株式会社研究開発本部健康科学・食品工学研究室 2キリン株式会社研究開発本部健康科学・食品工学研究室、3生命科学研究科
学習院大学理学部物理学科
乳製品の摂取が認知機能の低下を防ぐことを明らかにした疫学研究がある。
高齢者 我々は以前、カマンベールチーズに豊富に含まれるトリプトファンチロシン(WY)ペプチドが
ミクログリアの炎症 本研究では、7週齢(若齢)および68週齢(高齢)のC57BL/6Jマウスに、以下の実験を行った。
WY-ペプチドを含む飼料を摂取させた。4ヶ月間飼育した後、マウスをY迷路の行動評価に供した。
その結果、老化したマウスは若いマウスに比べ、新奇物体認識テスト(NORT)が低下していたが
WY-ペプチドを投与した高齢者マウスのそれらは改善された。炎症性サイトカインとグルタミン酸のレベルも改善された。
加齢マウスの海馬は、若齢マウスに比べて高く、WY-ペプチドによって減少した。これらの
この結果は、WY-ペプチドの摂取が海馬のミクログリアの炎症を抑制し、結果として
記憶力の改善 WY-ペプチドまたはWY-ペプチドを豊富に含む乳清ペプチドを短期間(18日間)経口投与した高齢マウスは、記憶力が向上した。
日間)でも記憶障害が改善された。本研究は、長期または短期の
WY-ペプチドの摂取は、加齢に伴う記憶障害に有効である。