紙の手帳の脳科学的効用 ~ 使用するメディアによって記憶力や脳活動に差 ~

紙の教科書やノートを使って学習する際には、そこに書かれた言葉の情報だけでなく、紙上の場所や書き込みとの位置関係といった視覚情報などを、同時に関連付けて記憶する連合学習が生じています。

 

一方、スマホタブレット・パソコンといった電子機器では、画面と文字情報の位置関係が一定ではなく、各ページの手掛かりが乏しいために、空間的な情報を関連付けて記憶することが困難です。

 

このように紙媒体は想起の際の手掛かりが豊富であるため、記憶の定着に有利であることに加え、その高い記憶力を元にした新しい思考や創造的な発想に対しても、役立つと言えるでしょう。

 

今回の研究結果を踏まえますと、日常生活において、紙の製品と電子機器を目的に応じて使い分けることで、より効果的な利用につながると期待されます。

 

特に教育やビジネスなどにおいて、経費削減・効率化を重視して使用メディアのデジタル化が進んでいますが、脳科学の根拠にもとづいて創造性などを発揮させるために、あえて紙のノートや手帳などを用いることで、本来求めるべき成果を最大化させることができると言えます。