頭の中ですぐに再生することで、出来事を記憶しやすくなる

YouTubeの短い動画を使って行われたその研究では、参加者を2つのグループに分けました。動画を見たあとに頭の中でその場面を再生し、内容を自分自身に説明するように言われたグループと、すぐに次の動画を見たグループです。この研究から分かったのは、頭の中ですぐに場面を再生すれば、動画を思い出すのにとても役立つ。

 

ある出来事を脳裏に焼き付けたいのなら、時間をかけて、その出来事を自分に説明しなさい、ということです。そう、まるで友達にストーリーを聞かせるように。鮮明によみがえる細かな点から、どんどん記憶を引き出しましょう。こうしておけば、時間がたったあとも、そのことを思い出せる可能性が高くなります。



ハンズフリー

運転中に使用した場合、シドニー大学の調査報告では携帯電話未使用時と比較した場合の事故リスクが3.8倍に増大するとのことである。

また集中力の散漫という点においては、携帯電話等を直接手に持って通話した場合と差はそれほどないという報告もある(こちらはシドニー大学の調査報告では4.7倍になる。)。

また警察の見解としてハンズフリーの使用は推奨されたものではなく、運転中は通話を行わないよう呼びかけている。

「ワクチン接種3カ月で抗体量が4分の1に減少」 藤田医科大学が発表、ファイザー製を調査

新型コロナウイルスのワクチンの接種から3カ月後に、抗体の量が減少したとの調査結果を、愛知県豊明市にある藤田医科大学が発表しました。


 愛知県豊明市にある藤田医科大学は、ファイザー社製のワクチンを接種した大学の教職員209人を対象に、血液中のウイルスに対する抗体の量を調査しました。

 1回目の接種から3カ月後の抗体の量は、2回目の接種から14日後と比べ、約4分の1にまで減少しました。

 「接種後3カ月ぐらいの時点で割と急激な減衰がみられて、その後少しずつ下がっていく」(藤田学園 新型コロナ対策本部 土井洋平 対策本部長)

 また年代別や男女別で抗体の量の平均値を比較したところ、年代・性別を問わず、同様の減少がみられました。

 ワクチンの効果が時間とともに低下している可能性があります。

 しかし、抗体の量の減少がどの程度ワクチンの発症予防効果に影響しているかは、今後も研究が必要だとしています。

熱を空に向けて放出して電力消費ゼロで都市を涼しくする新技術

 

by chuttersnap

 

2019年6月は観測史上最も暑い6月だった」ことが確認されたり、2019年7月25日にはパリの最高気温の記録が更新されたりと、世界的な規模での暑さが取り沙汰されています。熱中症対策にはエアコンを使用することも有効ですが、エアコンは膨大な電力を消費するため地球環境にはマイナスなだけでなく、ヒートアイランド現象原因のひとつにもなります。そんな中、太陽から降り注ぐ熱を空に放出して電気消費なしで温度を下げる技術が登場しました。

 

A polydimethylsiloxane-coated metal structure for all-day radiative cooling | Nature Sustainability

https://www.nature.com/articles/s41893-019-0348-5

 

In the future, this electricity-free tech could help cool buildings in metropolitan areas

https://techxplore.com/news/2019-08-future-electricity-free-tech-cool-metropolitan.html

 

ニューヨーク州立大学バッファロー校の准教授であるQiaoqiang Gan氏らは、シリコンの1種であるジメチルポリシロキサン(PDMS)でコーティングしたアルミニウムの板を使用することで、電力を消費せずに温度を下げることができる装置を開発しました。

 

これが今回開発された装置です。直射日光を防ぐための板に囲まれたプラスチック製の板の下にはPDMSでコーティングされたアルミニウム板があり、これが熱を吸収して外部に放出するという仕組みです。

 

装置の概略図はこんな感じ。

: ——Shadow board 
PE cover 
— PDMS emitter 
— Foam box

 

PDMSでコーティングされた板は日光を遮るだけでなく、熱を熱放射により放出することで、装置の内部の温度を低下させる働きも持っています。

 

内部の熱を外部に放出して温度を下げるという仕組みは、ヒートポンプを使って内部を冷やす冷蔵庫やエアコンと同じですが、今回開発された装置は熱放射に指向性を持たることが可能なため、空に向けて熱を放出すれば排熱で周囲の温度を上げてしまうこともありません。しかも、電力を消費せず経済的で、環境への負荷が小さいのも特徴です。

 

Gan氏らの研究チームは、この装置を使用した屋外実験を行いました。以下の図は実験を行った3カ所の様子とその結果のグラフです。実験は左から建物に囲まれた物陰・壁際・炎天下の駐車場で実施されました。実験開始から20分後における周辺温度と装置の温度の差は、左から2.5度、7.2度、11度となり、炎天下でも高い冷却効果が得られました。

2.5 ос• 
7.2 ос 
11 ос

 

この実験は日中の都市部での使用を想定したものですが、太陽光がなくても熱を放出できるので、昼夜を問わず冷却効果を得ることができます。また、今回の装置は約25cm四方の大きさですが、PDMSは食品添加物としても用いられるほど安全かつ安価なため、大型化や大量生産も容易だとのこと。このため、建物の屋上に多数配備すれば、施設を丸ごと冷却することも可能になります。

 

Gan氏は「電気を使わずに冷却できる実用的な手法により、世界のエネルギー消費が大きく変わる可能性があります」と述べて、今回開発した受動冷却システムの利点を強調しました。

海馬での仮保存状態は、1カ月

長期記憶する必要がないと判断し、情報を側頭葉に送らずに破棄します。この海馬での仮保存状態は、1カ月といわれています。すると、最適な勉強や暗記の仕方が分かってきます。それは、「ある項目を学習する―→この勉強の1週間後に復習する―→最初の復習から2週間後に2回目の復習をする―→2回目の復習後1カ月以内に3回目の復習をする」というのが、もっとも効率のいい学習方法です。

品川祐、松本人志の「宮迫は香水つけだしてから変わった」発言に同調「僕も思うところがある」

お笑いコンビ「品川庄司」の品川祐(49)が24日、自身のYouTubeチャンネルを更新。17日に解散を発表した、元お笑いコンビ「雨上がり決死隊」の宮迫博之(51)との心温まるエピソードを披露した。 【写真】謝罪会見で号泣する宮迫博之  品川は、お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(57)が22日放送のフジテレビ「ワイドナショー」において「宮迫は香水つけだしたり、高級時計集め出した時からおかしかった」という発言を取り上げ「香水に関しては僕も思うところがありまして」と、あるエピソードを語り始める。  それは、品川が若手時代の話。居酒屋にいたところ、宮迫がある役者を引き連れて合流してきたという。自虐をしながら、事務所に対する愚痴を吐いていたところ、その役者から「お前が映画撮れたのは吉本のおかげだろ?」「なんだ、ちょろちょろちゃらちゃらバラエティーに出て」と口喧嘩になったという。品川が「ちょろちょろちゃらちゃら?みんな人生かけてバラエティー出てるんですよ!」と反論するも、宮迫は「品川、その言い方はアカンぞ」。  ここで、品川が怒りをぶちまけ「宮迫さんはそっち付くんですか。聞いてましたか?ちょろちょろちゃらちゃらって言われてるんですよ!」と、言ったところで宮迫も「なんやお前、俺にも来るのか?表出ろや!」とヒートアップ。  2人で店の外に出たところで、宮迫は「俺が向こうに付かないと収まりがつかへんやろ?わかってるよ、お前の気持ち」と、冷静に語りかけてきた。品川は「僕は泣きグセがあるので『すみませんでした…』って言ったら、宮迫さんが『もう泣くな』って僕を抱きしめたんですよ。そのときに『香水?』って思ったら、涙がピタッと止まったんですよ。『香水のせいだよ~』ってことですよね」と、オチを付けて笑わせた。

「失敗したらどうしよう」「うまくやれる気がしない」失敗するのが怖い人に臨床心理士が伝えたいこと

失敗することが怖いと、仕事や課題をつい先延ばしにしてしまうことがありますよね。また、不安が強いと積極的に取り組むことができず、周囲からやる気がないやつだと思われているに違いない等、新たな心配事が生まれて悪循環に陥ることがあるでしょう。失敗することが怖くて取り込めないことで、なりたい自分からどんどん遠ざかっていませんか。「こんな自分が嫌いで落ち込んでしまう」「こんな自分になりたいわけじゃなかった」と後悔したり、「どうせ自分は変われない」と諦める前に、今からできることに取り組んでいきましょう。

どんな時に失敗が怖くなるの?

まずは、どんな時に失敗が怖くなるのか振り返ってみましょう。あなたが怖くなるのは、新しいことに挑戦する時でしょうか。それとも、難しい課題に取り組む時?上司など立場が上の人から頼まれた時?特に気持ちが昂りやすい状況はあるのでしょうか。そして、同じような感覚をはじめて感じたのは、何歳頃でしょうか。もしかして、あなたの失敗への恐怖は、昔の失敗体験から来ているのでしょうか。その失敗体験の存在が大きすぎて、今も引きずってしまっているのではないでしょうか。

失敗することは悪いことではない

失敗することは悪いことではなく、失敗は私たちに必要なことです。世の中に失敗しない人はいないですし、失敗しないと物事を改善し、より良い方法を思いつくことはできません。しかし、私たちは何故失敗は悪いことだと感じてしまうのでしょうか。そこには、文化的な背景や育ってきた環境が影響しているかもしれませんね。小さい子供は失敗に自分でうまく対応できないことが多いでしょう。その際に周囲の反応やフォローによって失敗の捉え方が変わります。もしあなたが失敗を過剰に恐れているとしたら、自分自身が大きなショックを受けただけではなく、周囲も上手に反応できなかったのかもしれませんね。そして失敗に対する過剰な不安が、先延ばしや回避につながり、失敗が成功に変わる体験を経験できなかったのではないでしょうか。

過去の失敗体験を振り返る

想像力を使って、過去に失敗をして傷ついた子供の自分に対して、今の大人の自分から声をかけてみましょう。あなたは本当はどのような言葉をかけて欲しかったのでしょうか。傷ついた自分を慰めたり、それを責めた大人に怒りを表すような、その時の自分が欲しかった言葉を考えてみましょう。それを紙に書き出したり、独り言のように実際に声に出したりします。そして、現在同じように失敗した時、失敗しそうで怖くなった時にも同様に言葉をかけてみましょう。

パターンを変えてみる

今までの失敗パターンを書き出し、変えられるところを変えてみましょう。全部を変えるのではなく、変えられそうなところから変えてみます。本当はやってみたい仕事でも失敗することが怖くて、取り組みを避けているのなら、パターンを少しずつ変えてみましょう。例えば、絵を描くことが好きだけれど、友人に見せた反応が怖くて誰にも見せないのだとしたら、どのように変えることができるでしょうか。見せる相手を選ぶことや、「感想は言わなくていいよ」「見せた時の反応に緊張するんだ」など前置きをした上で見せることもできるでしょう。はじめからうまくいくかは分かりません。どうなるのか試してみる「実験」と捉えて取り組みましょう。

初めて何かを試みる時、久しぶりに何かを試みる時は、緊張して当然です。その際は、なるべくハードルが低い相手、ハードルが低い状況になるように工夫をしましょう。例えば、時間に余裕がない相手、批判的な相手ではなく、あなたに関心を向けている相手、気持ちが落ち着いている相手がよいでしょう。もしも心配な場合は、心理師など専門職を選んで練習することもおすすめです。安全な人とパターンを変える練習に取り組むことで、少しずつ前に進んでいくことができます。

パターンを変えることは、とても大変なものです。まずは、取り組もうと思った自分を労いましょう。そして今までのパターンが続いている期間が長ければ長いほど、変化はゆっくりと進みます。少しでも取り組めた自分を労い、誉めることが継続の力となり、新しいパターンの獲得へとつながるでしょう。

 

石上友梨

大学・大学院と心理学を学び、心理職公務員として経験を積む中で、身体にもアプローチする方法を取り入れたいと思い、ヨガや瞑想を学ぶため留学。帰国後は、医療機関教育機関等で発達障害愛着障害の方を中心に認知行動療法スキーマ療法等のカウンセリングを行いながら、マインドフルネスやヨガクラスの主催、ライターとして活動している。

「内向的な性格の人こそ様々な可能性を秘めている」って本当?

内向的な性格にまつわる誤解?

内向的な性格と聞くと、皆さんはどんなイメージを持ちますか?おそらく「弱々しい感じがする」「人見知り」など、どちらかというとネガティブなイメージを持っている人の方が多いのではないでしょうか。しかし、心理学的にそのイメージには少し誤解があるように思います。まず、内向的な性格と外交的な性格について心理学的な視点から解説しますね。

内向性と外向性の違いとは?

エネルギーの方向

外向性と内向性の理論は、スイスの心理学者である、ユングが提唱した概念です。ユングは、外向性と内向性を『心のエネルギーのあり方』だとしています。言い換えるなら、「エネルギーがどこに向かうか」というとわかりやすいかもしれません。外向的な人は、外の世界にエネルギーが向きやすく、人と関わることによって精神的な満足を得るタイプ。一方で、内向的な人は、自分の内側にエネルギーが向きやすく、一人の時間を大切にすることで安定しているタイプです。

脳の刺激の受け方

心理学者・アイゼンクの理論によると、この2つのタイプの大きな違いは、脳の中にある大脳皮質の覚醒水準の程度だそうです。この説によると、内向的な人は外向的な人よりも大脳皮質の覚醒水準が高いので、刺激の影響を受けやすいと言われます。内向的な人が賑やかな環境を好まないのは、刺激の多い環境が過度に脳を刺激し、それが不快感になったり、もともと持っているパフォーマンスを下げてしまうからと言われています。ある心理学の実験では、静かで落ち着いた環境下であれば、内向型の人は外向型の人よりも、高いパフォーマンスを発揮するということが明らかになっています。なので、決して外向型の人の方が内向方の人よりも優れているということではないのです。

内向性の性格の強みとは?

 感受性の豊かさ

感受性の強さや豊かさは、内向型の人の特徴のひとつ。自分自身の中に起こる、様々な考えや感情を抱くのが上手であり、感性が豊かだと言えるでしょう。芸術的なことを仕事にしている人たちの中に内向型の人が多いのもそのためかもしれません。

人の気持ちを深く理解

内向型の人は、繊細な部分を持っているので、人の気持ちを察したり、他人のことを深く理解しようとします。時には、周囲の人たちも気づかないようなことまで気配りしていたりすることも。内向型の人がいることで、その集団が成り立っているというような場面も多くことあるでしょう。

 慎重

何か物事を行うとき、内向型の人は【安全追求タイプ】であると言われています。安全追求とは、慎重であるということ。慎重だと聞くと一見ネガティブに捉えられがちですが、実はとても大切なことです。特に他者とのコミュニケーショの中でその力が発揮されると言えるでしょう。例えば、誰かを挑発する、マウントを取るなどの攻撃的なことをすることはなく、相手と一定の距離を保つことで、安心安全な関係を保つことができるのです。

 一人の時間の使い方が上手

内向型の人は、一人の時間を充実して過ごすことが得意と言われます。周りの都合に振り回されることなく、自分で休みたい時に休み、楽しみたい時に楽しむことができるというのは、なかなかできることではありません。特に、コロナ禍にある現在は、外出や人と会うことも制限されていますし、一人の時間をうまく過ごせるといのは強みになるでしょう。

本質を見抜く力

内向型の人のクセとして、外から入ってきた情報を常に処理し、分析するというところがあります。こうしたプロセスを繰り返すことで、本質的なものを見抜く力が磨かれていいきます。内面を成長させていくには、内省する(自分の考えや言動、行動について深く省みること)が必要不可欠ですが、まさに内向型の人たちはこうしたことを日々気づかないうちに行っているのです。

内向型って実は魅力的

内向的なタイプって、実はとても魅力的なところがたくさんあるということがお分かり頂けたでしょうか。表面的にはネガティブに捉えられがちなところも、見方を変えれば長所や強みになります。自分のことを内向型だと思う、あるいは周囲の人に内向型と指摘される方は、ぜひそうした視点を取り入れてみてくださいね。

南 舞

岩手県出身。多感な思春期時代に、臨床心理学の存在を知り、人の心に丁寧に寄り添っていくカウンセラーの仕事に憧れを抱く。臨床心理学、心理カウンセリングを学ぶために、大学院まで進み、「臨床心理士」資格を取得。現在は教育、企業にてカウンセラーとして活動中。ヨガとは学生時代にヨガスタジオの受付のアルバイトをしていた時に出会う。ヨガを始めたことで、身体が自由になっていく感覚に楽しさを感じたこと、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングの考え方と近いものを感じ、ヨガ講師になることを決意。普段のクラスでは、呼吸と身体を繋げ、人と比べず、自分らしくいれるようなヨガの時間を提供できるよう心がけている。

「ファスナー合流」混雑解消に成果 一宮ジャンクション

中日本高速道路名古屋支社は、名神高速道路と東海北陸道が合流する一宮ジャンクション(JCT、愛知県一宮市)で、「ファスナー合流」と呼ばれる新たな方式を実施している。合流地点のラバーポール(くい)区間を延長させて1台ずつ合流させるもので、2カ月間で3割の混雑解消につながったという。

ファスナー合流導入前の一宮JCTは、両道の合流地点で100メートルにわたりラバーポールを設置し、合流地点は350メートルあった。そこで複数の車が名神側に入り込み、渋滞の発生ポイントになっていた。このため、2019年11月29日から、ラバーポール区間を360メートルに延ばし合流地点を210メートルと短縮。1台ずつ交互にファスナーのように合流することから「ファスナー合流」と名付けられた。

12月1日からの2カ月間について、渋滞時の単位通過時間から渋滞がない時の通過時間を引いたものに通過台数を掛けた「渋滞損失時間」で調べた。前年同期と比較したところ、交通量は同じなのに、渋滞損失時間は導入前の5万100台・時から3万6200台・時へと約3割減少。同社は15%程度の減少を見込んでいたが、倍の効果を上げたという。

予想を上回る効果を受けて同社は、渋滞が生じているインターチェンジ(IC)やサービスエリア(SA)の本線合流地点でも導入する考えだ。【黒尾透】

「スタバよりタリーズ派」が密かに増えている訳

 大手コーヒーチェーンで4位につけるタリーズが、着実にファンを増やしている。店舗数はスターバックスの半分以下だが、シンプルなメニューと店づくりが人気だ。経済ジャーナリストの高井尚之氏が、王者の背中を追うタリーズの取り組みに迫った――。

業界4位だが確かな支持を得て拡大中

カフェをテーマに業界を取材して、大手チェーンの話に及ぶと、まずは「スターバックス」の動向になる。それほど存在感は高い。

最新の売上高・店舗数ともに競合を圧倒し、2019年2月28日、東京・中目黒にオープンした「スターバックスリザーブ ロースタリー 東京」は都内の新名所となった。

さらに7月4日には、東京・浅草寺「雷門」脇に、「スターバックス コーヒー 雷門店」も開業。現在は外国人観光客も目立つが、江戸っ子の“心のふるさと”とも言えるこの場所への出店は、スタバ1強時代を象徴する。

国内のカフェチェーンで500店を超えるのは、以下の4ブランドだが、さまざまな消費者を取材すると「実はタリーズが好き」と話す人も目立つ。

「スタバとタリーズが近くにあれば、私は迷わずタリーズに行きます。飲食の味もよく、メニューも客層も“主張する系”が目立つスタバより気が楽で、居心地がいいですから」 (広島県在住。20代の女性会社員)

数年前に聞いた話で、興味深く思っていたが、最近も次のような声を聞いた。

「地元にはないが、出張先の朝食ではタリーズを利用します。店の雰囲気とパンメニューが好きですね」(石川県在住。40代の女性会社員)

「コンビニで買えるコーヒー飲料タリーズが一番おいしいと感じています」(埼玉県在住。40代の男性カメラマン)

今回は、地道な人気を保つ「タリーズ」の取り組みを考察したい。

東京初の“河川敷カフェ”をオープン

11月9日、「隅田川マルシェ」という1日限定イベントが開催された。江戸時代には「大川」とも呼ばれ、浮世絵にも登場する名所に沿って行われた催しだ。両岸に「花川戸会場」(台東区)と「吾妻橋会場」(墨田区)が設けられ、希望した出店者がフリーマーケットを運営。他に、大人の乗船料500円で回る「ワンコインクルーズ」なども開催された。

主催側(隅田川マルシェ実行委員会・イワタ マサヨシ委員長)は「隅田川を中心とした水辺のにぎわいを創出し、新しい文化圏を構築するソーシャルマルシェ」を掲げ、東京都建設局河川部、台東区墨田区が後援。

すぐ横に店を構える「タリーズコーヒー隅田公園店」も協力した。ちなみにスタバの「雷門店」からは徒歩約10分という近距離だ。

「ここは、当社の経営理念で掲げる『地域社会に根ざしたコミュニティーカフェとなる』を目指し、6年前にできた店です。東京都の水辺に関する条例が改定された2013年、都内初の河川敷のカフェとしてオープンしました」

広報担当の山口さほりさん(タリーズコーヒージャパン広報室)は、こう説明する。こうした「地域の景観に合った店」はスタバが全国で積極的に展開しているが、実はタリーズも着実に進めているのだ。人々の憩いの場となる公園内の店なので、関連自治体はもちろん、近隣住民とも話し合いを続け、徹底して景観維持や環境への配慮を行ったという。

「例えば、堤防沿いにある店舗には、特別な軽い木材を使いました。経年変化で建物の間伐材成分が土壌や河川に染み込まないよう、耐久性と軽量性を両立させています」(山口さん)

建築後も、タリーズの担当者は定期的に都や区、地域住民との会合に参加する。当日は子どもたちに描いてもらった絵を貼り付け、壁面に大きなサカナを作った。取材当日は晴れて暖かく、散策日和となり、青い空とピンクのサカナのコントラストが鮮やかだった。

スタバと1年違いで上陸、親会社は伊藤園

コーヒー業界に「シアトル系カフェ」(シアトル系コーヒー)という言葉がある。

一般には、従来の喫茶店で提供されるドリップコーヒー(コーヒー豆を焙煎・挽いた後で抽出)ではなく、エスプレッソをベースにする。ミルクを加えたメニューでも、ドリップ+ミルクが「カフェオレ」、エスプレッソ+ミルクが「カフェラテ」と呼ぶことが多い。

シアトル系の代表が「スターバックスコーヒー」で、「タリーズコーヒー」もそうだ。米国シアトルで、スタバは1971年、タリーズは1992年に創業された。日本に上陸し、1号店を開業したのは1996年(スタバ)と1997年(タリーズ)の1年違いで、1999年に日本1号店を開業した「シアトルズベストコーヒー」(米国の1号店は1970年)とともに、当時は“シアトル系御三家”とも呼ばれた。たが、その後、シアトルズベストは伸び悩んだ。

タリーズを日本に誘致したのは、日本法人創業時の松田公太・元社長(元参議院議員)だ。同氏の印象が強いが、現在、資本関係は一切ない。2006年から伊藤園のグループ企業となり、現在の代表取締役・荻田築会長は、伊藤園の元副社長・副会長を歴任した人物だ。

同グループとなって13年。伊藤園自動販売機の中にはタリーズの飲料があるなど、親会社のブランド力も背景に拡大。長年増収増益を続ける“孝行娘”だ。

安定した人気の秘密を、筆者は「基本の徹底」と「奇をてらわない」姿勢だと考えている。具体的に説明しよう。

舌をかみそうなメニューも少ない

カフェの基本となる「コーヒー」は、タリーズでは、担当者がコーヒー生産地に直接出向いて生豆を調達する。産地のブランドやグレードなどにこだわらず「ユニークで際立った特徴がある」といった条件で、カッピングによる味と香りの評価で選ぶという。こうして調達された豆を国内の工場で焙煎する。その豆を店内で淹(い)れるのは社内のバリスタ(コーヒー抽出者)だ。

「ご注文後にバリスタが半自動式マシンで1杯ずつ丁寧に抽出します。コーヒー粉の重量、抽出時間、抽出量など細かいルールがあり、ボタンを押せば出てくる飲料ではありません。品質維持やスキル向上のねらいもあり、毎年バリスタ競技会も実施します」(山口さん)

引いた視点でタリーズの活動を見ると、スタバへの意識がチラ見えする。例えば従業員をスタバは「パートナー」、タリーズは「フェロー」と呼ぶ。バリスタ競技会は両社ともに約20年前(ほぼ同時期)から行い、その名称は前者が「アンバサダーカップ」、後者が「バリスタコンテスト」だ。

このように、時にミステリアスな表記をするスターバックスに比べ、タリーズはメニューでも比較的分かりやすく、舌をかみそうな表記は少ない。例えばフードメニュー「小エビの明太子パスタ~白ワイン仕立て」、ドリンク「カプチーノ」や「ハニーミルクラテ」などは中身がイメージしやすい。定番のコーヒー豆の名称は「ハウスブレンド」だ。

こうした姿勢は、「お~い お茶」ブランドが有名な伊藤園の影響も受けていると思う。

学生からは「行ったことがない」という声も…

一方で課題もある。例えば若い世代の利用頻度は、スターバックスに比べてタリーズは低い。メインの顧客(25歳~39歳)が約35%を占めるのに対し、25歳までの利用者は約25%にとどまっている。

今月、筆者は、ある国立大学の学生から「スタバはよく行くけど、タリーズは行ったことがない」という声をいくつか受け取った。学生への訴求をどうするかはさておき、次世代を担う若者の利用度が高いほうが、ブランドへの親近感につながると思う。

また、タリーズのパンやパスタといったフードメニューへの評価も、ずばぬけて高いわけではない。決して低評価ではないが、競合はフードメニュー強化に乗り出している。例えばスタバは「プリンチ」というブランドで、自家製ベーカリーに力を入れ出した。ドトールのパンメニューには根強い人気があり、プロントは昔からパスタメニューが充実している。

タリーズの「本日のコーヒー」は現在12種類もあり、各店が自由に決められるという。そうした気どらない訴求も人気の秘密だが、筆者は、もう少しティーメニューに注力してほしいと思う。このあたりは親会社の伊藤園と試行錯誤もできるのではないだろうか。

茶系飲料にも力を入れれば強みを生かせる

11月1日にオープンした東京・渋谷駅前の商業施設「渋谷スクランブルスクエア」には、大手から個人店までのカフェチェーンが多く出店した。施設内の9階には「タリーズコーヒー」があり、10階には伊藤園が運営する「ocha room ashita ITOEN」(オチャ ルーム アシタ イトウエン)という店もあり、高価格な茶系飲料を提供する。11月8日に視察した時は、両方の店ともに繁盛していたが、まだご祝儀相場段階だろう。

昭和から平成を経て、圧倒的にコーヒーを好む人が増えたが、消費者の中には「実はコーヒーが苦手」という人もいる。スタバの陰に隠れがちなタリーズが、コーヒーの陰に隠れがちな茶系飲料により注力すれば、「強みを生かす」取り組みになりそうだ。

 

そっと渡された1000円…高齢夫婦にお礼したい 支援学校生徒、電車賃不足助けられ

「困っているなら、これを使って」。先月29日夕、東京・池袋の駅で、ICカードの残高不足で、帰宅できなくなった東京都立特別支援学校高等部1年の男子生徒(16)=東京都足立区=に高齢の夫婦がそう声をかけ、1000円札を手渡した。行き違いではぐれた母、福田恭子さん(59)は「こんなに親切な人に出会えるなんて感謝しかない」とツイッターに投稿し、連絡先が分からない夫婦に会い、お礼を伝えたいと考えている。【山口朋辰/統合デジタル取材センター】

 

残高9円、母と行き違い

29日午後6時ごろ、福田さんの長男の男子生徒はJR池袋駅の北改札で立ち往生していた。自宅最寄りの北千住駅まで帰るつもりだったが、カード残高が9円しかなかった。その姿を見た高齢の夫婦が長男に近づき、「これを使って」と1000円札をそっと渡した。長男がカードのチャージを終えると、既に夫婦の姿はなかった、という。福田さんによると、長男は自身の状況を言葉で具体的に説明することが苦手だという。

 

4月に都内の支援学校に入学した長男は電車で通い、福田さんも付き添っていた。1人での通学に慣れ始め、下校時に2人が落ち合う場所は校門から最寄り駅の道中に変わっていた。この日は、普段より1時間早い午後2時半に授業が終わり、下校時間が早まったこともあって2人は行き違い、会うことができなかった。長男の携帯電話も、ちょうど解約したばかりだった。

10日ほど前、福田さんは冗談半分で「早く授業が終わる日は、池袋に行けたらいいね」と長男に話した。このことから、長男は「先に行った恭子さんを追いかけなければ」と思い、自宅に帰らずに池袋駅を目指したとみられる。ダウン症の長男は計算が不得意で、お金の価値をしっかりと把握できないので、ICカードに高額の入金をしないようにしている。福田さんは残高が数百円と把握しており、「そろそろチャージしなければ」と思っていた。

 

長男のかばんには、援助や配慮の必要性を知らせる「ヘルプマーク」が付けられ、道に迷ったり、はぐれたりしたときは、最寄りの交番に行き、マークに記載された福田さんの携帯電話に連絡を頼むよう伝えていた。長男の説明によると、駅周辺で2時間ほど福田さんを待ち、疲れたため帰宅しようとした際、夫婦が1000円札を渡してくれたという。長男は午後7時前に自宅に戻ってきた。

1日10万人以上の乗降客があるターミナル駅での出来事に、ツイッターでは「殺伐とした世の中、捨てたもんじゃない」「その1000円は神様のバトン。巡り巡ってほんわかバトンはそのご夫婦に届くはず」など、温かい投稿が相次いでいる。福田さんは「長男は失敗と体験を積み重ねて、生活力を身につけており、すてきなご夫婦に多くのものをいただいた。直接会ってお礼がしたい」と話している。連絡は、福田恭子さん(tuyumushi@gmail.com)まで。

市販「液体のり」、白血病治療の救世主に? 専門家驚嘆

白血病の治療で重要な細胞を大量に培養することに、東京大と米スタンフォード大などのチームがマウスで成功した。これまでは高価な培養液でもほとんど増やせなかったのが、市販の液体のりの成分で培養できたという。白血病などの画期的な治療法につながる可能性があり、専門家は「まさにコロンブスの卵だ」と驚いている。

白血球や赤血球に変われる造血幹細胞は、0・5リットルで数万円するような培養液でも増やすことが難しい。このため、白血病の治療はドナーの骨髄や臍帯血(さいたいけつ)の移植に頼る場面が多かった。

東京大の山崎聡特任准教授らは、培養液の成分などをしらみつぶしに検討。その一つであるポリビニルアルコール(PVA)で培養したところ、幹細胞を数百倍にできたという。マウスに移植し、白血球などが実際に作られることも確認した。

PVAは洗濯のりや液体のりの主成分。山崎さんは実際、コンビニの液体のりでも培養できることを確認した。共著者で理化学研究所で細胞バンクを手がける中村幸夫室長は「結果を疑うほど驚いた。研究者はみんな目からウロコではないか」と話した。

大量培養できれば、臍帯血移植に使う造血幹細胞の不足が解消できたり、骨髄移植のためのドナーの負担を軽くできたりする可能性がある。別の幹細胞も培養できそうだといい、山崎さんは「再生医療や基礎研究に大きく貢献できるかも知れない」と話す。

論文は30日に英科学誌ネイチャー(https://www.nature.com/articles/s41586-019-1244-x)に掲載される。(合田禄)