ポリフェノール類の抗動脈硬化作用

ポリフェノール動脈硬化 近年、植物性食品に含まれるポリフェノールが、循環器系の健康に影響を及ぼす可能性があることから注目されている。本稿では、LDLの酸化と動脈硬化に対するココアポリフェノールの効果について、我々の研究の概要を紹介する。ポリフェノールが豊富なココアを摂取すると、ヒトではLDLの酸化感受性の指標であるラグタイムが延長され、酸化LDLの血漿レベルが低下し、実験動物では動脈硬化病変の形成が抑制された。ココアに含まれるカテキンは、高いバイオアベイラビリティを示し、摂取したカテキンの約25〜30%が尿中に検出されるという。また、カテキンを経口投与した場合、グルクロニドや硫酸抱合体、メチル化体などのカテキン代謝物が血中に存在する。ラットとヒトのカテキン代謝物(グルクロニド)は構造的に全く異なり、抗酸化活性はラットの方がヒトよりも長く維持されます。一方、カカオ製品を摂取すると、ヒトではHDLの値が上昇しました。このHDLの上昇は、カカオの抗酸化作用によるものと考えられます。このように、カカオポリフェノールは心血管疾患のリスクを低減させる可能性があります。